不動産の名義変更(相続登記)が必要な理由
不動産の名義変更(相続登記)はする必要があるのか?
相続登記とは、相続財産である土地や建物の名義を変更する手続きです。この手続きを怠ると、その土地や財産の所有権を主張することができません。
しかし、この登記手続きには現在のところ義務がなく、明確な期限が定まっていないために、または下記のような誤解によって放置をしてしまう方もいらっしゃいます。
それでは、相続登記をせず、そのまま放置をしても問題はないのでしょうか?
相続登記をしないデメリット
その相続財産(不動産)に関する自分の権利を主張することができません。
たとえご自分がその不動産を相続しても、その相続登記がされていなければ、他の相続人が自分の持分を勝手に売却してその登記をしてしまったとしても、買主に対して「自分の不動産だ!」と言えないのです。
しかし、これまでは義務ではなかった相続登記が2024年までに義務化されることになります。
なぜ、相続登記が義務化されるのでしょうか?
相続登記が義務化される背景としては、所有者不明土地の問題を解決することが目的になります。
所有者不明土地とは?
所有者不明土地とは、登記簿謄本等で所有者が直ちに判明しない、
あるいは判明しても連絡がつかない状態の土地のことです。
所有者不明土地の問題点とは?
所有者不明土地があることで、下記のような問題点がでてきます。
所有者の探索に多大な時間と費用が必要(戸籍・住民票の収集、現地訪問等の負担が大きい)
所有者の所在等が不明な場合には、土地が管理されず放置されることが多い
共有者が多数の場合や一部所在不明の場合、土地の管理・利用のために必要な合意形成が困難
問題点があることでどうなるのか?
所有者不明土地の問題点を放置してしまうと下記のようなことに繋がってしまいます。
直ちに売却することができない
土地上に建物を建築する際に支障が生じる
不法投棄の原因にもなっている
所有者不明土地の割合
所有者不明土地の割合はH29国交省調査で全体の約20%と言われています。
原因としては、
1.相続登記の未了|66.7%
2.売買・交換等による登記の未了|1.0%
3.住所変更登記の未了|32.4%
所有者不明土地の原因は?
土地の登記名義人の住所が正しく登記されていないケースもありますが、相続の際に親の家や土地の名義変更をしないなど、適切な相続登記が行われないことが原因のケースが多いです。
現行法上、相続登記の義務ではないため、相続登記をしないまま長期間放置されている事例が多々あります。
相続登記が義務化されることによって所有者不明土地問題の解消され、土地の有効活用が活性化することが期待されています。
相続登記義務化の3つのポイント
2024年度をめどに施行される相続登記義務化の3つのポイント
相続登記の義務化
住所変更登記の義務化
法務局への所有者の生年月日、海外居住者の連絡先の提供
相続登記をしないことに対する罰則
相続により不動産の所有権を取得したものは、相続の開始及び所有権を取得したことを知った日から3年以内に不動産の相続登記をしなければならないことになります。
登記しない場合、10万円以下の過料の対象となってしまいます。
相続人申告登記(仮称)制度の創設
相続発生後、すぐに相続登記を行えない場合に、相続人であることを申出することで相続登記を行う義務を免れる制度になります。
あくまで「登記簿上の所有者」が亡くなったことを示しているに過ぎないことになります。
その後、遺産分割協議が成立し不動産の所有権の移転が決定した場合には、遺産分割の成立した日から3年以内に相続登記を行う必要があります。
相続登記義務化のまとめ
相続による不動産取得を知ったから3年以内に相続登記をしないと10万円以下の過料の対象となる
住所変更登記も義務化され、2年以内に手続きをしなければ5万円以下の過料の対象になる
相続人申告登記や登記権利者のみの単独申請を認めるなど登記手続きの簡略化が予定されている
不動産の所有権移転登記時に生年月日や海外居住者の連絡先の情報提供など連絡先確認のための情報の提供が必要となる
所有している不動産の一覧情報(所有不動産記録証明書(仮称))を本人又は相続人から法務局に対して交付を請求できる
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