遺産分割協議の進め方
相続が開始すると、被相続人(亡くなった人)の財産は 相続人に相続されます。 その財産はいったん相続人の共有財産となりますが、そのままでは各相続人の単独所有とならないため、相続人の間で遺産分割を行うことになります。 |
その方法はまず、被相続人が生前に遺言で指定する「指定分割」に従い、遺言がない場合は、相続人全員の協議による「協議分割」により行うことになります。
相続人間で遺産をどのように分割するかは以下の方法があります。
■指定分割
→被相続人が遺言によって指示した分割方法で、まずはこちらが最優先です。
■協議分割
→共同相続人全員の協議により行う分割方法です。
全員の参加と同意が必要で、一部の相続人を除外したり、無視をした場合は協議は無効になります。
ただ結果的にどのような内容の分割になっても、お互い意見が一致して決定した分割であれば協議は有効です。
■現物分割
→遺産そのものを現物で分ける方法です。
現物分割では、各相続人の相続分きっかりに分けることは難しく、相続人間の取得格差が大きいときは、その分を金銭で支払うなどして調整(代償分割)します。
■換価分割
→遺産全部を売却して現金に代えて、その現金を分割するという方法です。
遺産を処分した場合、処分の費用であったり、譲渡取得税などがかかることを考慮します。
現物分割ですと遺産価値が下がるものもあるため、この方法が採られます。
■代償分割
→相続人のうちの誰かが遺産を取得する代償として他の相続人に対して現金を支払うという方法です。
遺産が自宅のみ、または農地である場合などに有効な分割方法です。
■共有分割
→遺産を相続人が共有で所有する方法です。
共有名義の不動産は、利用や売却などに共有者全員の同意が必要なので、注意が必要です。
遺産分割の話し合いがまとまれば、必ず遺産分割協議書を作成しておくことが必要です。
後日のトラブル防止の意味合いもありますが、遺産の中に不動産があった場合、所有権移転の登記の際に必要となりますし、預貯金があった場合にそれを引き出す際にも必要となるケースがあります。